自動車保険見積もりナビ

自動車保険は安いだけでは意味がない

一見魅力的なスローガンに注意

「24時間年中無休で事故受付けの自動車保険」
「24時間事故相談受付け」
「差し込むだけのフリーダイヤルカード」
「休日事故急行」
「入院見舞い急行」
「JAFのロードサービスへの電話取次ぎ」
「24時間営業のガソリンスタンド、宿泊施設のご案内、タクシーやレンタカーの紹介」
「書類省略」
「弁護士紹介、法律相談(専門の弁護士のアドバイス)」
「病院、修理工場への連絡、代車の手配」
「病院紹介と医療相談」
「死亡保険金の請求援助(塔傷・自損)」
「安心アドバイザー訪問(人身事故で、対応や保険金請求アドバイス)」
「保険金支払いの一元化、期間の短縮、進捗状況のお問い合わせに迅速対応」
「経過報告」
「入院保険金仮払いの自動車保険」
「無料引取納車、優先修理、修理保証書発行」
「携帯電話用事故受付窓口設置」
「鍵閉じ込み時の業者への取り次ぎ手配」
「24時間医療健康相談、心の健康相談」
「患者の搬送手配」
「事故の全処理専任担当制(対応の全部を一人が担当する)」
「保険金支払案内」
「事故解決通知」
以上は、各保険会社が提供している情報の中から、これが当社のサービスです、として広告しているものを、脈絡もなく列記したものである。
どの会社も、表現の違いはあっても大同小異である。どの保険会社も同じような自動車保険サービスを、右へ倣え式に広告宣伝している。
この中にどれか一つでも、実際に事故に遭った時にこんなサービスをしてくれるなら有難い、と見積もりの段階でその保険会社を選びたくなる項目があるだろうか。

当サイトでは、自動車保険のサービスと見積もりについて個々について説明をしております。

「24時間年中無休で事故受付け」には、なんの有難味もメリットもない

仮に山田さんとしておこう。ある日の深夜、普通乗用車を運転していて、信号待ちの軽四乗用車に追突した。残業の疲れで、ついうとうとしていたらしく、ノーブレーキで相手車の後部に激突した。
その車は、まるで宙を飛ぶように斜め前方に押し出され、交差点に突っ込み、向こう側の角の電柱に衝突した。幅の狭い道路の交差点だった。深夜のことで、他車を巻き添えにしなかったのがせめての幸いであった。
双方の車は大きく損傷し、特に相手車の前後は見るも無残な壊れ方である。
相手の被害者は、ハンドルに突っ伏したまま動こうとしなかった。山田さんも、しばらくは意識が朦朧としていたが、それどころではない、と気を取り直すと開けにくくなったドアを力一杯押して外に出た。しかし、誰が通報してくれたのか、近づいて来る救急車のサイレンを遠くに聞きながら、へタへタと地面に座りこんでしまった。

人身事故で救急車を呼ぶと、警察官も現場に来て、二次事故や交通に支障が起こらないように対処しながら、現場を検証する。もし双方の当事者のうち一人でも残っていたら事情を聴取する。
山田さんは、何とかそれに応じて状況を説明した。一応聞き終わると警察官は、「明日改めて事情聴取するので署に出頭するように、現場検証は、今この場で済んだのでもうやらない、車両の検証も終わった。早く始末するように」などと告げ、「今日のところは帰宅してよろしい」と付け加えた。その際、一枚の書類を手渡すと、「誰か身元引受人を立てて、これを明日もって来るようにと言った。それには、身元引受書とある。「業務上過失傷害罪容疑だ。逮捕はしないがそれが要る」と笑っていた。

山田さんは、携帯電話でJAFに連絡をとった。警察官から、「事故車はすぐに処理するよう」に言われた。自分の車は、懇意の修理屋に頼むつもりである。深夜のことで連絡は取れないが、勝手知った修理工場だから、JAFに搬送してもらって適当な場所に置いとげばいいだろう。
被害者の車は、どこに運んで行けばいいのかわからなかったので、取りあえず警察署に置いてもらうことになった。警察官は、「委託業者に頼んでやってもいいよ」と言ってくれたが、山田さんは断ってついでにJAFに頼むことにした。「じゃ、署に運んで来なさい。このまま署に帰るはずだから」警察官はそう言うとパトカーで行ってしまった。
JAFはすぐに来てくれた。かねてから入会の時に送付されて来た緊急用の連絡電話リストを免許証と一緒に持っていたのが非常に役立った。JAFの担当者はテキパキと動き2台の事故車を搬送してくれた。
被害者は、山田さんと同じくらいの中年の男性である。後始末を終わって、山田さんは被害者が搬送された病院に駆けつけた。頚部を酷く痛めたらしく、局部を固定されてベッドに横たわっている。もう連絡を受けて、妻が付き添っていた。深く謝罪する山田さんに、被害者は満足に口がきけないらしく、妻が代わって、「とんだ災難ですわ。気をつけてくれなくては。」 と言った。
特に非難する口調ではなかった。山田さんの態度を誠意あるものとみたようである。しかし、それだけに山田さんは辛い思いであった。「保険に入ってますので、治療費その他についてはご安心ください。ちゃんとやらせますから」と言う山田さんに、妻は、「わかってます。保険でやってもらって結構です」と答えた。
後日、「自動車保険の会社から連絡があると思います」と山田さんは付け加えた。そして、車の修理についての要望を聞き、その修理業者に見積もりを取るためにこちらから搬送することを約束した。

病院の事務室には、医療事務担当の当直かあるいは夜間専門に委託された係員がいる。山田さんは、「交通事故の負傷者なので、治療費は保険会社が払うことになる。後ですぐに連絡させるから」と言ったが、係員は、「それはわかっているが、入院になると聞いているので、取りあえずは保証金は払ってもらいたい」と答えた。山田さんが、「一万円しか持ち合わせていない」と言うと、「それでもやむを得ない。後日、保険会社が払ったら清算するから」ということになり、支払って領収書をもらった。
山田さんが、保険会社に事故連絡をしたのは、帰宅して一眠りした後の、翌日の昼過ぎであった。

事故の加害者になった時、早急にやるべき4カ条

1、事故に遭って加害者になったら、まずなすべきことは、自分が無傷かあるいは軽傷で動けるならば、負傷者の救護と二重事故の回避措置である。すぐに救急車の手配をし、出来るだけ事故車を移動させ交通を確保する。
2、警察に届けたら、その指示を待つ。負傷者がいて救急車を呼べば、現場に急行して来た警察官に、現場検証の形で事情を説明し、後日改めて警察署で事情聴取ということになる。
3、それが終わったら、病院に駆けつけて、被害者側に謝罪しなければならない。契約している保険会社を告げ、賠償についてはこの会社に委任することなど、被害者側の了解を得たり、質問に答えたり、しなければならないことがいろいろとある。肝心なことは、被害者側の心を慰撫し、これからの不安を鎮めることにある。
4、病院に対する折衝も必要である。病院は、治療費は基本的には患者である被害者に求めるのであるが、交通事故の負傷者となると、賠償責任が絡んで円滑な支払いを期待出来ないことが多いので、誰が治療費を支払ってくれるのか、確実なことを早急に知ろうとする。その説明をして病院の納得を得るのは加害者の義務だから、たとえ深夜であろうと対応しなければならない。

実際には、このような被害者側や病院との折衝の場合には、注意すべきことがある。それは自動車保険の賠償は過失相殺が原則だから、事故状況によっては、保険は使えない、と保険会社が言うことがある。
山田さんのように100%の過失があるならばその心配は要らないが、被害者にも過失が推測される時には、被害者側は勿論、病院にも賠償については安請け合いをしないで、保険会社名を告げ、今後この会社に委任する、という程度に止めて了解をとることに努める。
そしてその後は、保険会社がどう対応するか、この時点で態度を決めるのは早計である。

以上のことは、事故に遭って加害者になったら、どうしても早急にやらなければならない。怪我で出来ないケースならともかく、これを人の手を借りなければ出来ないようであれば、もともと車を公道で運転する資格はないと言ってもよいのではないか。
契約している保険会社に相談しアドバイスを求めるものでもないし、代わってやってもらうものでもない。事故直後の加害者の対応には、保険会社の入る余地はない。加害者自身の常識と責任において出来る限り対処するものである。事故の体験談は別サイトの自動車保険入門にも掲載されているので参考にして頂きたい。

最近、人身傷害補償保険が発売されており、被害者がこの保険の被保険者であったということがあり得る。その場合、被害者は自分の契約している自動車保険から損害を填補されることになるが、しかしそれは、被害者側のいわば内輪のことで加害者には何ら関係のないことであって、加害者が自分の保険会社を明確に告げるなどして、今後の賠償について明らかにする本来の義務を怠ってはならない。
このような事故直後の対処が一段落したら、あとは保険会社に任せることである。現今、示談交渉付きの自動車保険は当たり前だから、保険会社に対応を委任するのは、決して特異なことでも被害者に対して誠意のないことでもない。
被害者も自動車保険による賠償を、たとえ不満があって当初はそれに反発するにしても、結果的には納得することになる。むしろたとえ最低であっても賠償金が約束されたことに安堵する。病院にしても、車の修理業者も同じであるが、見積もりを行った費用の支払いが確保されることが第一である。だから、加害者は、どこの自動車保険を契約しているのかを明確にすることによって、多く関係者の納得を得られる。

簡単な事故データだけで慌てて保険会社に連絡しても意味がない

保険会社に事故連絡するのはそれからである。もともと保険会社は、単なる事故連絡だけで動けるものではない。先に述べたように、過失相殺が原則だから、被害者の過失の大きさによっては、「任意保険では対応出来ません。自賠責保険に被害者請求してください」と突っぱねることになる。
契約者に対しては、免責ということもある。山田さんの場合のように、追突ということであれば、被害者の過失はO%としてもよいだろう。しかし本人自身には飲酒などの、車両保険や塔傷が免責となる状況はなかったのか。事故事実と簡単な事故データだけでは、詳細で明確な状況は把握出来っこない。

第一、契約者は自分の不利なことは、隠そうとするのが人情というものだ。つまり、慌てて急いでする事故連絡だけでは、保険会社は断定に躊躇するから、実のある対応は出来ない。
それに、もしややこしい事故で必要あれば、自動車保険の会社は費用と時聞をかけて、専門の機関に調査を依頼し、その結果を待って、修理の見積もりに関してなど、然るべき行動を始めるだろう。実のある対応はそれからである。

事故連絡には可能な限りのデータを集めておきたい。担当者に早く正確な判断をさせるためである。この判断が遅れて、被害者との間にトラブルとなることが実に多い。連絡する前に、もう一度現場を実地にチェックするくらいでありたい。もし、怪我で自分が出来なげれば、確かな人に頼んででも、これはやっておくことである。
結局、担当者に出来るだけ多くのデータを提供すればするほど、保険会社はこの事故をどう扱えばよいのか、時機に合った判断が出来る。事故連絡は少しくらい遅れても慎重でありたい。そうすることが、自分自身の利益になる。事故の発生だげを慌てて連絡しても、意味がない。

山田さんのように、事故直後の対処が出来ていれば、深夜や休日時間外の事故であっても、なにも慌てることはない。日が変わって、保険会社の普段の業務が始まってから、出来るだけのデータを揃えて連絡する方が、どれだり有意義かわからない。
保険会社への事故連絡の意味は、そういうところにある。
それにもし連絡しても、保険会社の方針を明確には決められないとなると、担当者はその受付けをするだけということになる。その結果対応は当たり障りのない、不満の残る反応になるだろう。このサービスは、どの保険会社も定番のように謳っているが、受付けだけだったら、「24時間年中無休で事故を受付け」は、なんらの有難味もメリットもない。その実効は疑問である。

サブコンテンツ

このページの先頭へ